坪単価とは?坪単価の落とし穴・・・

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建築をする際によく言われる坪単価とは?
建築設計に携わって十数年でもよくわからないです。
多分、誰も説明できないと思います。

なぜ説明できないかと言うと決まりが無いからです。

坪単価とは?

一般的に言われている坪単価とは建築にかかった総額費用をその建物の坪数で割ると出てきます。

例(過去に設計した住宅です。鉄筋コンクリート 平屋建て)

延べ床面積:31.2坪  
施工面積:35.2坪 
  

※延べ床面積とは建築基準法に基づき各階の床面積を合計したもの。
※施工面積とはベランダや車庫、玄関ポーチなど含まれ実際に「含める範囲」との定義が無く、どこまで含めるかは各々の会社で違う。

実際にかかった建築費(合計2980万)
・建物本体工事   2550万
・地盤補強工事   120万
・外構工事     80万
・浄化槽工事    50万
・設計監理料    180万

施工面積での坪単価を算出してみます。
2980万/35.2坪=84.6万円

坪単価〇〇万円です!と言っている会社は非常に危険です。
坪単価と言うものは、いくらでも操作できます。
上記の金額の84.6万円と出た数字は実際にかかった総費用で割っています。
しかし建築会社では坪単価を安く見せるため地盤補強工事は含んでなかったり外構工事や浄化槽、設計費用は別途です。と言う建築会社も実際にいます。

【ケース1】地盤補強工事、外構工事、浄化槽工事、設計監理料を含まない場合で計算します。
2550万/35.2坪=72.4万円

1坪当たり -12.2万円の差が出ています。

なぜ坪単価〇〇万円と言える?カラクリ


坪単価とは実は一定ではないです。
建物坪数で坪単価は変わってくるのです!

簡単な例で説明しましょう。

住宅に絶対必要な設備とは何でしょうか?

キッチン・ユニットバス・洗面化粧台・トイレ設備です。

上記の住宅設備は床面積が変わったとしても、同じ仕様で同じ数をつければかかる費用はかわりませんよね?

例 キッチン・ユニットバス・洗面化粧台・トイレ を合計300万円だとします。

① 施工面積 50坪 で設備費 300万円を割る。
300万円/50坪=6万円

② 施工面積 30坪 で設備費 300万円を割る。
300万円/30=10万円


設備だけでも坪単価4万円変わった!
当然建築の坪数が小さければ坪単価と言うのは上がってきます。

同じ設備での例でしたが、床面積を大きくすれば坪単価を安く見せることが出来るのです。
建築費は設備だけではなく、他の色々な部材や、建築にかかる日数、人件費などを積み上げてできた単価なので、坪単価を広告にして集客する会社には注意が必要です。

私たちも引き渡し前のお客様から住宅をお借りして完成見学会をさせていただいてますが、その際に見学に来たお客様から「坪単価いくらですか?」とよく聞かれます。実際にかかった総合計の金額、床面積などは参考に教えていますが、坪単価〇〇万円!と広告している会社と比べられ「やっぱり設計士さんが建てる建物は高いね。」と言われます。

私たち設計士は、依頼があったお客様の要望を聞き取りし、ゼロから計画し積み上げていくため、設備も住宅の工法や仕様も決まっていません。お金をかける所と、かけない所をしっかり整理し、納得がいくまで話し合いや検討を繰り返してできた建物ですので、坪単価と言う定義がなく、坪単価で比べられると何とも言えません。

これから家を建てられる方やリノベーションなどを考えている方へヒントになれば幸いです。


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