予算に合わせた家づくりのコツ|仕様の違いを8つの実例で徹底解説!

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自由設計で新築住宅を設計している建築士のsukeです。

家づくりのご相談をいただく中で、お客様それぞれで予算が違うのは当たり前で、私達はお客様の予算に合うように提案をするため、住宅の仕様のグレードを説明していきます。

その際に、わかりやすい例えとして賃貸住宅仕様と、住宅仕様の違いを説明をさせていただいております。

「賃貸住宅仕様と住宅仕様って、具体的に何が違うんですか?」

たしかに「仕様」と一言で言っても、実際にどこが違うのか分かりづらいですよね。

そこで今回は、わかりやすく「賃貸仕様」と「住宅仕様」の違いを解説していきます。これから家づくりを考える方にとって、仕様の違いを理解することは、予算の使い方や優先順位を考えるうえでもとても大切です。

今回は、実際の施工写真を交えながら、【賃貸仕様】と【住宅仕様】の違いについてご紹介します。
ご予算やライフスタイルによって、どこにお金をかけ、どこを抑えるか。そんな“仕様選びのヒント”になれば嬉しいです。


実例①|建物形状の違い:暮らし方に合わせた“かたち”をつくる自由度

🔹賃貸仕様:シンプルな箱型形状

賃貸住宅では、四角い箱型の建物形状が一般的です。
コスト効率に優れ、設計や施工も標準化しやすいため、建築費用を抑えながら複数戸を同時に建てるのに適したスタイルです。

ただし、間取りの自由度は限られ、外観に個性が出にくいのも特徴。住む人の暮らしに合わせて“かたち”を変えるという発想は取り入れづらいのが現実です。

🔸住宅仕様:L字型・コートハウス・屋根付き車庫なども可能

一方で注文住宅では、住む人の生活動線や敷地条件に合わせて、建物の形状を自由に設計できるのが魅力です。

たとえば…

  • L字型で庭とのつながりを楽しむプラン
  • プライバシーを守りながら光を取り込むコートハウス
  • 雨の日も濡れずに出入りできる屋根付きインナーガレージ

など、建物の形状そのものが、住みやすさやデザイン性を高める要素として活かせます。

実例②|床材の違い:フローリングの質感で空間の印象が変わる

🔹賃貸仕様:シートフローリング
賃貸住宅でよく使われる木目プリントのフロア材。水や汚れにも強く、低コスト。お掃除がしやすいのが利点ですが、見た目や足触りはやや人工的。

🔸住宅仕様:無垢フローリング
こちらは施主様のご要望で、肌触りにこだわった無垢オーク材を採用。木の香りや足触りのやさしさは、毎日の暮らしを少し贅沢にしてくれます。


実例③|洗面スペース:既製品と造作の違い

🔹賃貸仕様:ユニット洗面台
よく見るシンプルな洗面台。コストは抑えられますが、デザイン性は控えめ。収納スペースが足りないという声も。

🔸住宅仕様:造作洗面台
こちらは空間に合わせてカウンターからオーダー。お気に入りの洗面ボウルや照明を組み合わせて、まるでホテルのような空間に。タイルや木の組み合わせで、洗面所にも“こだわり”が感じられます。


実例④|キッチンの違い:毎日使う場所だからこそ、使い勝手と質感の差が出る

🔹賃貸仕様:コンパクトな壁付けI型キッチン
左側は、賃貸住宅でよく見かけるシンプルな壁付けキッチンです。
白を基調にした量産型の収納扉に、ステンレス製のワークトップとシンク。
必要最低限の機能が揃っており、掃除やメンテナンスのしやすさはありますが、収納量や作業スペース、デザイン性は控えめです。来客時に手元が丸見えになってしまう点も、気になる人は多いかもしれません。

🔸住宅仕様:対面式のI型キッチン+カウンター
右側は、リビング・ダイニングとつながる対面式I型キッチン
手元を隠しつつ、会話を楽しめる腰壁+カウンタータイプで、料理中も家族とのコミュニケーションが取りやすいのが魅力です。

扉材は木目調、天板は耐久性と美しさを兼ね備えた素材を選定。収納力の高いスライド収納や、食洗機付きなど、“暮らしにフィットする”設備を取り入れられるのが住宅仕様ならではのポイントです。

実例⑤|建具と内装:量産型とオリジナルの違い

🔹賃貸仕様:量産建具+ビニールクロス
色は白で統一され、シンプルで清潔感のある内装。コスト重視で無難なデザインが多く、インテリアの自由度は限定的。

🔸住宅仕様:アクセント壁+オリジナル建具
「お気に入りのグリーンの壁をつくりたい」という施主様の声で、リビングの一面をカラー塗装に。扉も木目に合わせてセレクトし、空間に統一感が生まれました。

実例⑥|給湯方式の違い:毎日使う“お湯”も、見えないけれど暮らしに差が出る

🔹賃貸仕様:ガス給湯器
賃貸住宅では、コンパクトなガス給湯器が一般的です。
価格も抑えられており、必要最低限のお湯をすばやく供給するには十分ですが、省エネ性能やガス代の節約効果は限定的です。

🔸住宅仕様:エコジョーズ or エコキュート
一方で注文住宅では、省エネ性に優れた上位モデルのガス給湯器「エコジョーズ」や、電気でお湯を沸かす「エコキュート」を採用するケースも増えています。

初期費用は少し高くなりますが、ランニングコストが抑えられるほか、環境にもやさしいのが特徴です。
「光熱費をなるべく抑えたい」「オール電化を検討している」といった方には、給湯方式の選択が、将来の暮らしやすさや家計にも影響してきます。

実例⑦|照明器具の違い:灯りひとつで空間の雰囲気はここまで変わる

🔹賃貸仕様:一般的なシーリングライトのLDK
賃貸住宅では、天井中央に取り付ける丸型のシーリングライトが主流です。
ひとつの照明で部屋全体を均一に明るく照らすことができ、取り付けも簡単でコストも安価。
ただし、照明による演出や陰影、デザイン性はほとんど感じられず、空間の雰囲気づくりには限界があります。

🔸住宅仕様:間接照明やダウンライトを組み合わせたLDK
一方、住宅仕様では空間全体のイメージや暮らし方に合わせて、間接照明やダウンライト、ペンダントライトなどをバランスよく配置します。
照明の高さや光の広がりを計算することで、あたたかみのある落ち着いた雰囲気の空間演出も可能に。

「明るければいい」だけではない、“心地よく過ごせる灯り”を設計に組み込めるのは、自由設計の醍醐味のひとつです。

実例⑧|建物まわりの外構の違い:住まいの第一印象を決める“足元”のつくり方

🔹賃貸仕様:砂利敷きで最低限の仕上げ
賃貸住宅では、建物周囲の地面は防草シートの上に砂利を敷くシンプルな仕上げが多く見られます。
雑草対策としては有効で、コストも低く、施工も手軽なのがメリットです。
ただし、雨の日に靴が汚れやすかったり、歩きにくさを感じたりと、日常の快適性や見た目の美しさには限界があります。

🔸住宅仕様:コンクリート土間+植栽で整った外構
住宅仕様では、アプローチや駐車場にはコンクリート土間を採用し、雨の日でも靴が汚れにくく、掃除も簡単。
さらに建物のまわりにシンボルツリーや低木などの植栽を取り入れることで、家全体の印象がぐっと豊かになります。

植物の配置や照明計画によっては、「ただの外構」が「暮らしに彩りを添える景色」にもなり、住まいへの愛着がさらに深まります。

ランニングコストの違い:建てた後も「お金がかかるかどうか」は仕様しだい

🔹賃貸仕様:建てるときは安いけれど、あとから光熱費がかかりやすい

賃貸住宅では、できるだけ初期費用を安くおさえるために、シンプルでコストの低い設備や材料を使うことが多いです。
その分、住み始めてからの電気代・ガス代・水道代、そして修理や交換などの手間や費用がかかりやすくなる傾向があります。

たとえば…

  • 庇が無い → 暖房や冷房が効きづらく、エアコン代が高くなる
  • 安価な給湯器 → お湯を沸かすのにガス代が多くかかる
  • 断熱材が少ない → 夏は暑く、冬は寒くて、結局エアコン頼み

短期間だけ住むなら気にならないかもしれませんが、20年、30年と長く暮らす家なら、あとからかかるお金も気になりますよね。

🔸住宅仕様:長く住むなら「月々の安さ」も大切にしたい

住宅仕様では、家の性能を高めることで、毎月の光熱費をできるだけ安くする工夫ができます。

たとえば…

  • 庇がある → エアコンの効きがよく、冷暖房費が下がる
  • エコジョーズやエコキュート → ガス代・電気代が抑えられる
  • 太陽光パネルやLED照明 → 自家発電や省エネでランニングコストを軽減

さらに、汚れにくい外壁や、丈夫な床材を選んでおけば、将来の修理や張り替えの頻度も少なくて済みます

⚠️ 家を建てた後にも「お金の差」は出てきます

最近、電気代やガス代の値上がりが続いています。
「建てるときの費用」だけでなく、住んでから毎月かかる光熱費やメンテナンス費にも気を配ることが、これからの家づくりではとても重要です。

家の断熱性能や設備の選び方しだいで、20年後、30年後の出費が大きく変わることも。

家づくりでは「今の予算」だけでなく、「これからの暮らしの安心」も一緒に考えていきましょう。

まとめ|違いを知れば、予算の使い方が見えてくる

いかがでしたか?
同じ「家」といっても、賃貸仕様と住宅仕様では、細部のつくりや空間の質感、暮らしやすさにこれだけの違いがあります。

もちろん、どちらが良い・悪いという話ではありません。
大切なのは、自分たちの暮らしにとって、何を大事にしたいのかを見極めること。

  • 「キッチンは使いやすくしたい」
  • 「床は自然素材がいい」
  • 「照明で雰囲気を整えたい」
  • 「でも、コストは抑えたいところもある」

そうしたひとつひとつの希望に合わせて、“こだわるところ”と“シンプルに済ませるところ”を選ぶことが、家づくりを楽しむコツです。

私たちは自由設計というスタイルを通して、
「決まった型にはめるのではなく、暮らしに合わせて設計する」ということを大切にしています。

家づくりを始めるとき、「どんな仕様にするか」は難しいテーマのように感じるかもしれませんが、こうして実例と一緒に見てみると、選び方のイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

もし、これから家づくりを考えている方がいらっしゃれば、今回の内容が、仕様選びのちょっとしたヒントや考え方の整理に役立てば嬉しいです。

暮らしの優先順位は人それぞれ。

自分たちにとっての“ちょうどいいバランス”を見つける参考になれば幸いです。

個人ブログでは面白おかしく、沖縄あるある 住宅事情 を発信しております。
興味がありましたら見てみてください。

スケルトンがお客様に提案する設計

私たちの設計事務所では、デザインだけでなく、家族の生活を中心に考えた家づくりを心がけています。

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