設計事務所の仕事とは?基本設計編

設計のヒント
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建築士とは、どのような仕事をしているのだろう?
契約をするさいに内容の説明は書いてあるのですが、専門用語すぎてわからない。
もっとわかりやすく教えてほしい!と、お客様から言われる事がありました。

基本設計の解説をしていきます。

設計事務所の契約内容

ほとんどの建築設計事務所の契約内容は、下記のものになると思います。

・基本設計業務
・実施設計業務
・監理業務


何のこっちゃ?

と言う感じですよね。

基本設計業務の内容

①建築主からの情報収集

家族の人数、年齢、現在のライフスタイル、好きなもの、嫌いなもの、理想の暮らし方と現実のギャップ、苦手な家事や片付けの仕方、建物にかけられる希望予算を確認していきます。

②設計条件の整理

お客様から頂いた情報をもとに、
何台の駐車場が必要か?
庭は必要か?
家の全体の大きさはどのくらいか?
何の部屋が必要?
何個の部屋が必要?
何の法律がかかってくるのか?
・・・・etc
書き出していきます。

③関係官庁打合せ

お客様の建築予定地に、色々な建築基準法で決められた規制がかかってくるので、市役所や県庁の建築関係の課、消防署や水道局へ、何の規制がかかってくるのかを聞き取りに行きます。
建ぺい率、容積率、道路斜線などは新築の計画を考えている方は聞いたことがあるのではないでしょうか?

④現地の調査

お客様の建築予定地の地盤の高さ、周りに建っている建物の位置関係や、道路の幅、敷地の大きさ等を計測します。

⑤条件の整理

①建築主からの情報収集
②何の部屋、どのくらいの大きさが必要か
③建築基準法の規制
④現地の調査を組み合わせ文字で書きだしたり、絵を描いたりして整理していきます。

↑字汚いし、なんのこっちゃって感じですよね。
お客様から聞き取りした情報が、法の規制と組み合わさると、これまた難しい。
・この要望はこの敷地には入らない!サンルーム無くしてもらおうかな?
・玄関収納とLDKのTV裏収納ガッチャンコできないかな?
・LDKに和室入れると狭くなるがどうにかできないか?
・・・・・
他にもたくさんでてきます!

⑥ボリュームチェック

ボリュームチェックとは、簡単に言うと、

その土地にどれくらいの建物が建てられるか?です。

③関係官庁打合せで聞き取りした、
・用途地域
・防火・準防火地域
・建ぺい率
・容積率

・地区計画や景観条例
・道路斜線や北側斜線などの斜線制限
・日影による制限


この制限らを考慮した上で敷地にどれくらいの
規模・階数・建築物の高さが建つかを、検討していきます。

⑦計画の総合化 (ゾーニング)

実際の敷地の図面を描き、手書きで区分けしていきます。
ゾーニング(だいたいの大きさに分ける)と言う作業なのですが、空間を機能や用途別に分けて、それぞれに必要な広さや位置をゾーンとしてとらえ、相互の関係をみながら位置関係を決めます。
1つのプランを提示する時には、最低でも10~20パターンは描いていると思います。

今日打合せして、明後日には図面を提示できる男性の建築士がいるとしましょう。
・彼は本当の天才か、
・これまでやった事がある間取りを棚から引っ張り出し → 何も考えずに、お客様の敷地にポンと置いた、お客様の事を何とも思ってない最低の建築士です!(建築士あるあるです。)

上記の行動をする設計事務所の特徴
・契約を何よりも早く取りたい設計事務所(CM等をしてる大手事務所もしくは大手建築会社に多い)
・忙しすぎる設計事務所(図面を書く暇も、考える暇もない)
・契約を取る気が無い、断れない設計事務所(仕事にやる気がないスタッフ)

話が違う方向に行ってしまいました。すみません。

⑧PLANの作成

PLANとは、お客様の要望、敷地条件や建築基準法を考慮し、
それら条件を総合的に組み合わせた図面の事です。


お客様が、要望の間取り図をご自分で描いて持ってこられますが、
正確な敷地の大きさや、建築基準法が考慮されたりしていないため
ほとんどが建てることが出来ず終わってしまう事が多々あります。

自分で間取りを検討されたい方は、お願いしたい建築士さんに
正確な敷地の図面を描いてもらい、ご自分で手書きで描くのも有りです。

これは1マスが畳半帖で描かれています。
2マスで畳1帖分です。

私たち建築士でも、すぐにはPLANは描けません。
私は手書きで何パターン ~ 何十パターンを描き、それらを比較検討し、
最良のPLANをまとめていきます。

手書きのPLANがある程度かたまったら、イメージが伝わりやすいように参考画像や、
3Dを用いながらプレゼン用の資料を作成し、お客様への最良なPLANを提案します。

これまでの提案を数回重ねて、PLANが決定しましたら、契約の流れになります。

私の設計事務所では、ここまでは無料で行っています。

⑨他の図面

上記のPLANがある程度決まってくると、もう少し細かい図面に入っていきます。
・配置図  敷地に対しての建物の位置を示した図面
・平面図  間取り図
・立面図  建物の外観の図面
・断面図  建物を一定方向から切り、高さ等を説明する図面

基本設計は建築主の要望を聞き取り、建築主と、これから建つ建築物のイメージを共有することが
一番の目的ですので、図面以外にも3Dパースや、建築模型などを用いて説明しています。

他の設計事務所とは動きが違う場合がありますので、業務委託契約時に内容を確認しておくと
後々のトラブル防止になります。


次のブログでは実施設計編をUPします。




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