こんにちは。沖縄でRC(鉄筋コンクリート)住宅の設計をしている、大城です。
前回、資産価値の観点から、土地選びのポイントについてお話ししました。用途地域、接道条件、地盤、ハザードマップ上の災害リスク。この4つが大切だというお話でしたが、
実はもうひとつ、見落とされがちな視点があります。それが「銀行」という視点です。
今日は、銀行が土地をどう評価しているのか、具体的にお話ししていきます。
銀行は、実際の売買価格とは違う基準で土地を見ている
土地を買うとき、多くの人は住宅ローンを組みます。このとき銀行は、その土地と建物を「担保」として見て、いくらまで貸せるかを判断します。
ここで面白いのが、銀行が使う評価額は、実際に売買される金額とは、少し違うということです。銀行は「積算価格」という、独自の計算方法をよく使います。これは、国税庁が毎年発表している「路線価」(道路ごとに決められている土地の目安価格で、公示地価のおよそ8割程度の水準です)に、土地の面積をかけて出す、いわば控えめな評価額です。実際に売れる金額よりも、慎重に見積もられていることが多いのです。
評価が高くなりやすい土地の条件
では、この積算価格や、銀行の評価が高くなりやすいのは、どんな土地でしょうか。
まず、駅から近く、学校や病院、スーパーなど、周りの生活環境が整っていることです。次に、土地の形が四角に近い「整形地」であること。細長い旗竿地のような形の土地は、使いにくさがある分、評価が下がりやすくなります。そして、道路にしっかり接していること、平坦で高低差が少ないことも、評価を後押しするポイントです。前回お話しした「接道条件」や「地盤」は、実は銀行の評価にも直結しているのです。
「市街化調整区域」は、銀行の評価がほとんどつかない
もうひとつ、特に注意しておきたいのが、「市街化調整区域」という区分です。これは、新しく市街地を広げていかないようにするために、新築や建て替えが制限されているエリアのことです。
銀行にとって、この区域の土地は、将来の使いみちが限られてしまうため、「ほとんど評価がつかない」と言われるほど厳しく見られることがあります。同じような価格の土地であっても、市街化調整区域にあるというだけで、住宅ローンで借りられる金額が半分以下になってしまうケースも実際にあります。前回の記事でお話しした「国が、危険な区域には住宅を増やさない方針を進めている」という話ともつながる部分ですが、行政のルールと、銀行の評価は、思っている以上に密接に結びついているのです。
まとめ ― 「借りやすい土地」は「売りやすい土地」でもある
銀行が高く評価する土地の条件は、駅近・利便性・整形地・十分な接道・平坦・市街化区域内。これは、これまでの記事でお話ししてきた「資産価値が落ちにくい土地」の条件と、ほとんど重なっています。
将来、自分がその土地・建物を売ることになったとき、次に買う人が無理なくローンを組めるかどうかは、売れやすさに直結します。今、自分がローンを組むときの銀行の評価は、将来、その家を買う人の銀行評価でもあるのです。土地を選ぶときは、「自分が気に入るかどうか」だけでなく、「この土地は、将来、誰かが安心してお金を借りられる土地かどうか」という視点も、持っておきたいところです。

次回予告 ― お金がかかる土地の形状について
今回、評価が高くなりやすい土地の条件として、「整形地」であることを挙げました。逆に言えば、形がいびつな土地は、評価が下がるだけでなく、実際に建てるときの費用も、余計にかさんでしまうことがあります。
次回は、「お金がかかる土地の形状について」というテーマで、旗竿地や、高低差のある土地、極端に細長い土地など、建築費用が余計にかかりやすい土地の形について、具体的にお話ししていきたいと思います。
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