二世帯住宅、親との同居を見据えた間取りとは

設計のヒント
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こんにちは。沖縄でRC(鉄筋コンクリート)住宅の設計をしている、大城です。

前回、家族の変化の例として「親と同居することになる」というケースに少し触れました。実はこの「同居」というテーマこそ、スケルトン・インフィルの考え方が一番力を発揮する場面です。今日は、二世帯住宅、そして親との同居を見据えた間取りについてお話しします。

同居は、ある日突然やってくる

最初から「親と一緒に暮らそう」と決めて家を建てる人ばかりではありません。
むしろ多いのは、家を建てたあと何年もたってから、親の体調の変化をきっかけに、急に同居が現実的な話になるケースです。

そのとき間取りに余力がなければ、大がかりな増築やリフォームが必要になり、多くのお金と時間がかかってしまいます。
同居は「今すぐの話ではないから」と後回しにされがちですが、家を建てる段階で少し意識しておくだけで、将来の負担を大きく減らせます。

完全な二世帯住宅にするべきか

「同居」と聞くと、玄関もキッチンもお風呂も2つずつある完全分離型をイメージする人も多いと思います。プライバシーは守られますが、その分建築費も大きくふくらみます。

同居の形は、必ずしも完全分離でなくてもかまいません。

玄関だけ共有する「部分共有型」や、生活空間はほぼ一緒で寝室だけ分ける「同居型」など、家族の関係性に合わせていろいろな形が考えられます。

スケルトン・インフィルの発想を、同居に活かす

ここで、前回お話ししたスケルトン・インフィルの考え方が役に立ちます。
骨組み(スケルトン)さえ将来の同居を見越して余力を持たせておけば、必要になったタイミングで内装(インフィル)側の工事だけで対応できます。

たとえば、広めの一部屋にあとから簡易キッチンや洗面台を足す
。配管や配線をあらかじめ壁の中に通しておけば、工事も費用も抑えられます。

「今は使わないけれど、将来使うかもしれない余白」を骨組みの中に残しておくこと。
これが、同居を見据えた家づくりで、いちばん大切な考え方だと思います。

同居の時期も、「予想できない」からこそ

前回お話ししたものと重複しますが、「家は3回建てて、初めて理想の家になる」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。子どもが小さい時期、受験の時期、親のことを考え始める時期、老後を考える時期。人の暮らしは、だいたい10年単位で必要なかたちが変わっていきます。同居のタイミングも、まさにこの変化のひとつです。

先々の変化を、すべて予想することはできません。それは設計をするプロの私も同じです。

だからこそ「予想できなくても、あとから変えられるようにしておく」というスケルトン・インフィルの発想が、同居の悩みも小さくしてくれるのだと思います。

同居のタイミングは、たいてい「子どもが独立したあと」

実際に同居が必要になる時期は、多くの場合、子どもが独立して家を出たあとと重なります。これは好都合です。リビングから見える子ども部屋を夫婦の部屋にし、いちばん静かな寝室を親に渡す。

部屋を増やすのではなく「使い方」を入れ替えるだけで、生活時間のズレによるストレスはある程度解消できます。

子育て中に同居が必要になったら

まだ子どもが家にいる時期に、急に同居が必要になるケースもあります。この場合、ほとんどの家で面積が足りなくなり、子どもにも窮屈な思いをさせてしまいます。こうしたときは住み替えも検討しましょう。

自分たちの家と親の家を両方売却して完全分離型を購入する、あるいは小さめの共同住宅を購入し、他の部屋の賃貸収入を返済に充てる選択肢もあります。

同居の距離感、3つのパターン

一つ目は、生活空間をほとんど共有する「同居型」。
建築費はいちばん抑えられますが、生活リズムの違いが気になりやすい面もあります。

二つ目は、玄関やリビングなど一部だけを共有する「部分共有型」。
バランスの良い選択肢になりやすい形です。

三つ目は、すべて分ける「完全分離型」。
プライバシーは守れますが、建築費は大きくなります。

どれが正解ということはなく、家族の関係性によって向き不向きが変わります。

親が70歳になる前に、話しておくべきこと

もうひとつ大切なのが、親の年齢です。親が70歳なら、元気に過ごせる期間はあと20年ほど。
自分が50代ならローンを組める可能性は十分あります。

一方、親が80歳になってからでは残された時間は10年ほどで、自分は60代。銀行の審査が厳しく、ローンが組みにくくなりがちです。
だからこそ、親が70歳になる前、まだ元気なうちに、将来のことを家族で話し合っておくことが大切です。

ここで、私自身の家族の話を少しさせてください。

私の家は母子家庭で、母と兄弟3人の4人家族でした。
母が40歳のとき70歳だった祖父が病気がちになり、母は介護のために仕事を辞めました。
10年間介護を続け、祖父が亡くなったころには母はすでに50歳。今度は祖母(当時72歳)がアルツハイマーになり、また10年、介護の日々が始まりました。

アルツハイマーが進むと、自分の子どもの名前さえわからなくなることがあります。
話をしても全く通じない。なので口調も強くなってしまいます。
本人は自分の親の為に一生懸命に介護しているが、他の人から見たら、見ていられるものじゃありません。
介護をする側も精神的に疲れてしまい、家族で話し合って祖母には施設に入ってもらいました。

この選択が正しかったのかは、今でもわかりません。

ただ施設のスタッフの方々は介護のプロで、祖母にもやさしく接してくれています。
母は20年ぶりに社会復帰し、毎日楽しそうに過ごしています。

介護は素人が抱え込むには本当に難しいことだと思います。

もうひとつ大切なことがあります。
アルツハイマーなどで判断力が低下すると、本人の意思確認ができないとみなされ、家の売却や相続の手続きができなくなることがあります。

だからこそ、頭がはっきりしているうちに、遺言書の準備や、もしものとき施設に入るのかどうかを家族で話しておく。それだけで、いざというときの混乱をかなり減らせます。

正直な気持ちも書いておきます。
「私が死んだら、この家はあなたにあげる」と言われることがあります。
ですが、これは私個人の母を見ていての考えですが、もし家をもらえたとしても、介護に費やす時間と家の資産価値は全く釣り合わないと思っています。
自分に何かあったときは妻や子どもに負担をかけたくありません。負担になるくらいなら、迷わず施設に入りたいと思っています。

「今」ではなく「将来」のために、余白を残す

家づくりで大切なのは、「今」の状況だけで間取りを決めきらないことです。今は同居の予定がなくても、将来それが現実的な選択肢になることは誰にでも起こりえます。家を建てる段階で「もし将来、同居することになったら」を少し想像しておく。それだけで、いざというときの安心感が変わります。

骨組みに余力を持たせ、内装は必要になったときに変えられるようにしておく。この考え方は、同居というテーマでも、一生涯のコストを抑えながら家族の変化にしなやかに対応できる「コスパ最強の家」への大切な一歩になります。

次回予告 ― 「実家じまい」、住み継がれなかった家はどうなるのか

先日出した記事で、「コスパ最強の家とは、子や孫の代まで住み継がれていく家のことだ」というお話をしました。骨組みを丈夫に造り、暮らしの変化に合わせて間取りを変えながら住み継いでいく。ここまでの記事は、ずっとその前提でお話ししてきました。

ですが現実には、家族それぞれの事情や、住む場所の変化によって、家が住み継がれないケースも少なくありません。今、全国で空き家が増え続けているのは、まさにこの問題が積み重なった結果でもあります。

次回は、「実家じまい」というテーマで、住み継がれなかった家に何が起こるのか、そして、そうならないために今から考えておけることについて、お話ししたいと思います。

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専門家としての経験に基づき、私たちがお客様に提案する設計の柱は以下の4点です。

1. 本質を見据えた無駄のない設計

お客様のご要望を丁寧に汲み取り、本当に必要なものだけを取り入れた、シンプルで機能的な空間を設計します。家族それぞれの生活スタイルや趣味を尊重しながら、日々の家事動線や家族の目線が交わる快適な間取りを実現します。

2. 将来の変化に寄り添う可変性(スケルトン・インフィル)

子どもたちの成長や独立など、ライフステージの変化に合わせて柔軟に間取りを変更できる設計を心がけています。20年後、30年後も家族の成長に合わせ成長していく建物。そして長く安心して住み継げる資産価値の高い家を提供します。

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目に見える意匠性と同じくらい、建物の基礎となる骨格の性能を重視しています。高い耐震性と省エネ性を兼ね備え、近年の気候変動や自然災害からも家族の命と健康を守る、安全で環境に優しい住まいを構築します。

4. 子育て・二世帯住宅の当事者だからできる提案

私自身、4歳と6歳の娘を育てる父親であり、同時に自ら二世帯住宅に暮らす当事者でもあります。現在進行形で子育て世帯のニーズや悩みに向き合い、二世帯同居ならではの奥様のストレスや課題に対する具体的な解決策を持ち合わせています。実体験に基づいたリアルな視点で、親世帯・子世帯の全員が笑顔で暮らせる環境をご提案します。

すぐに設計に取り掛かることはできないのですが、事前相談は無料なので、お気軽にご連絡ください。

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