ハウスメーカーや建売とは違う、設計事務所がこだわる「質」

設計のヒント
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こんにちは。沖縄で新築住宅の設計を手がけている建築士です。

マイホームを建てたいけれど、建築設計事務所にお願いするのは敷居が高いし、何より高そうである。そのように思っていませんか。

実は、設計事務所に頼むと高くなるというのは大きな誤解です。 確かに建売住宅などと比べると初期の提示額に違いはありますが、そこにあるのは単純な金額の差ではなく、建物の質における決定的な違いです。

今回は、これまで多くの家づくりに携わってきたプロの建築士として、設計事務所に依頼する本当のメリットとデメリット、そして私たちが何より大切にしている質の正体についてお話しします。

1. 建売住宅と設計事務所における設計思想の決定的な違い

まず前提として、建売住宅が悪いと言いたいわけではありません。買いやすい金額設定を一番に考え、その枠の中で場所や間取りを効率よくパズルのように当てはめていく建売住宅は、スピードや手軽さを求める方には素晴らしい選択肢です。

しかし、そこに住む人のこれからの生活や人生はどれくらい考えられているでしょうか。

建売住宅は、すでに造られているものを見て、値段で決める建物です。都心に近くなればなるほど土地代に予算が取られ、その分建物の面積や仕様が削られてしまいます。そこには、あなたやご家族の暮らしのこだわりを反映する余白はありません。

一方で、設計事務所に頼む家づくりは全く逆です。 プロの建築士が、あなたのお話をじっくりと聞き、まだ言葉になっていない要望までくみ取ってゼロから間取りを作ります。

私たちが引き上げる質とは、単に高級な材料を使うことではありません。そこで暮らす家族が、何十年もストレスなく、心地よく笑顔で過ごせる空間の質のことです。

2. 設計事務所がこだわる暮らしの質の正体とは

私たちが設計する自由設計の家には、建売住宅には決して真似できない日常の心地よさと、将来への安心、そして資産としての価値がちりばめられています。私たちが考える質には、大きく分けて3つの側面があります。

① 日々の暮らしを快適にする空間と動線の質

例えば、以下のような日常のワンシーンを想像してみてください。

  • 子どもを見守る目線: キッチンに立って料理をしている最中、ふと目をやるとダイニングやスタディーススペースで宿題をしている子どもの姿が自然と目に入る設計。
  • 朝の渋滞がない洗面室: バタバタする朝の時間帯、お母さんと娘さん、あるいは兄弟2人が横に並んで立っても、ストレスなく身支度ができるゆとりある洗面カウンターの幅。
  • 家事ラクな洗濯動線: 洗う、干す、畳む、クローゼットへしまうまでが、わずか数歩の無駄のない動きで完結するランドリー動線。
  • まったり過ごすリビング: 夜、ソファで家族がくつろいでいる時、眩しさを抑え、心がすっと落ち着くような間接照明の配置。
  • 外と繋がる開放感: リビングのソファに腰掛けたとき、視線が自然と庭の緑へと抜けていく、広がりを感じる窓の配置。
  • プライバシーの確保: 人通りのある道路や近隣の家からの視線を巧みに遮りつつ、光と風だけを室内にたっぷり採り入れる窓の大きさと高さの設定。
  • ただいまから10秒の動線: 玄関を開けてすぐにお気に入りの洗面台があり、そのまま汚れた服を脱いで脱衣所へ直行できる、ウイルスや汚れを室内に持ち込まない動線。

② 20年、30年先を見据えた人生の可変性の質

そして、設計事務所が真価を発揮するのが、家族の成長や変化に合わせて、家側が形を変えられる設計です。実際に私がお手伝いした、あるご家族の実話をご紹介します。

実話その1:家族の変化に寄り添う家 ご依頼主は、40代のご夫婦、10代のお子様2人、70代の祖父母の3世代。二世帯住宅を建てたいというご要望でした。

建売住宅や一般的な規格住宅であれば、よくある部屋数の多い大きな家を提案されるでしょう。しかし、プロの建築士は今だけを見て設計はしません。10代のお子様たちは、あと10年もすれば進学や就職、結婚などで家を出ていく可能性が高いからです。さらにその先、祖父母を見送る時期もいずれやってきます。つまり、大家族で暮らす期間は、これからの長い人生において実はほんのわずかなのです。

そこで私たちは、ただ部屋数を増やすのではなく、将来を見据えた完全分離型の二世帯住宅をご提案しました。これにより、30年後に以下のような未来の選択肢が生まれます。

  • 子ども世帯への引き継ぎ: 祖父母がいなくなった後、自分たちが1階に移り住み、空いた2階に結婚したお子様世帯を呼び戻して二世帯で住み継ぐ。
  • 老後の安定した収入源(賃貸化): もしお子様が戻ってこない場合は、完全に独立したもう一方の住戸を賃貸物件として一般に貸し出す。これにより、定年退職後の暮らしを支える貴重な家賃収入(私設年金)へと早変わりさせることができます。

③ 土地のポテンシャルを最大化する資産運用の質

もう一つ、設計事務所だからこそできた、予算逆転の実話をご紹介します。

実話その2:家がローンを払ってくれる家 駅から徒歩10分圏内という、非常にアクセスが良い好立地な土地に、戸建て住宅を建てたいというご依頼がありました。しかし、お客様の住宅予算にはあまり余裕がありませんでした。

予算に合わせて建物の規模を小さくし、仕様をギリギリまで削って、なんとか予算内に収める。これが一般的なハウスメーカーや建売住宅のやり方です。

ですが、私たちはその土地が持つ商業的価値(駅近のポテンシャル)に着目しました。そしてお客様に、まったく新しいアプローチをご提案したのです。

「予算は当初より上がってしまいますが、あえて3階建てにして、1階をテナント(店舗用)として貸し出し、2階・3階を住宅にしませんか?」

結果として、建築予算は当初の計画より大幅にアップしました。普通なら予算オーバーで無理だと思うところです。しかし、この家が完成した後、驚くべき変化が起きました。

駅近という好立地のおかげで、1階のテナントから毎月約15万円の賃貸料が入ってくるようになったのです。 建築費が上がった分の毎月のローン返済増額よりも、入ってくる家賃収入のほうが遥かに大きいため、当初の予定よりも毎月の実際の持ち出し(ローン返済額)がガクンと減り、生活に大きなゆとりが生まれた事例です。

ハウスメーカーの規格住宅や建売住宅は、今、家が欲しいから、予算内で買える家を当てはめるという一過性の選択になりがちです。

しかし設計事務所は、今あるお金と土地を使って、20年後に家族のお荷物にならない可変性を仕込み、時には土地のポテンシャルを引き出してお金を生み出す資産へと変えるという、一歩も二歩も先を見据えたアドバイスと設計を行います。

目に見えるおしゃれさや快適性はもちろん、家族の人生を何十年先まで豊かにコントロールする提案力。これこそが、設計事務所にしか作れない暮らしの質の正体であり、私たちがお客様に提供する最大のメリットなのです。

3. 設計事務所は予算のバランスをコントロールする

でも、そこまでこだわるとお金がかかると思うかもしれません。 ここが設計事務所の大きなメリットです。設計事務所は、お客様の予算に合わせてお金のかけ方のバランスを細かくコントロールします。

潤沢に予算があれば、デザイン性の高いものをいくらでも作れます。しかし、予算が限られているなら、絶対に削ってはいけない部分に予算を集中させ、それ以外の部分を削って調整すればいいのです。

建築士が教える、予算調整の正しい基準がこちらです。

削ってはいけないもの:建物の骨格の性能

建物の構造、基礎、耐震性といった骨格は、大地震や大型台風、近年の猛暑や極寒といった自然災害・気候変動から、あなたと大切な家族の命と健康を守る命綱です。ここは1円たりとも妥協してはいけません。

削ってもいいもの:水回り設備(キッチン、洗面台、トイレ、浴室)

キッチンや高級なシステムバスは諦めるのかと思われるかもしれません。確かに予算があれば最新の豪華な設備を入れたいところです。 しかし、これら水回りの4大設備は、言わば大型家電と同じです。どんなに高級なものを入れても、15年〜20年も経てば古くなり、いつかは交換の時期がやってきます。生活の便利さには直結しますが、家族の身の安全とは無関係です。だからこそ、予算が厳しい時は真っ先に高くなくても機能を満たすものへグレードを下げて削る対象になります。

家は古くてガタが来ている!その家に最新の数十万もする大型冷蔵庫、最新の洗濯機が入っている家を想像したらどうでしょうか?

後から変えられない骨格にお金を使い、後からいつでも交換できる設備で調整する。このメリハリができるのが設計事務所の強みです。

4. 足元から変わる質の違い:床材に何を選ぶか

家の質の違いが最も分かりやすく出るのが、毎日肌に触れる床材です。

一般的な建売住宅で使われているのは、フロアタイルや合板(ごうはん)フローリングです。

  • フロアタイル: 石油系(ビニールやプラスチック素材)で作られた床材。
  • 合板フローリング: 薄い木製の板を何層も接着剤で貼り合わせ、表面に綺麗な木目を印刷したシートや薄い突板を貼った床材。

これらは大量生産できて安価でお手入れが楽というメリットがありますが、どうしても冬場に足元がヒヤッとしたり、夏場にペタペタとした人工的な質感になりがちです。

一方で、多くの設計事務所がおすすめするのが無垢(むく)のフローリングです。 無垢フローリングとは、1本の天然木からそのまま必要な形に削り出した、混じり気のない本物の木の床材のこと。

なぜ私たちが無垢を勧めるのかというと、木が本来持っている調湿作用(湿度を吸ったり吐いたりする機能)があるからです。ジメジメする梅雨や夏でも、無垢の床は素足で歩くと驚くほどサラサラです。冬は木の空隙(空気の隙間)が体温をじんわり受け止めてくれるため、合板のような冷たさを感じません。また、年月が経つほどに深い味わいや色ツヤが出てくるため、家と一緒に美しく歳を重ねていく楽しさがあります。

5. あえて言う、設計事務所のデメリット

ここまでメリットばかりをお話ししてきましたが、プロとしてデメリットも包み隠さずお伝えします。

  • 完成までに時間がかかる 建売住宅のように契約してすぐ入居とはいきません。じっくりヒアリングして図面を引き、工事を進めるため、早くても1年近くの期間が必要です。
  • 決めることが多くて大変 間取りからコンセントの位置、床の素材にいたるまで、すべてを一緒に決めていくため、エネルギーを使います。ただし、これを楽しいと思える方には最高の時間になります。
  • 設計料という名目が見える ハウスメーカーなどでは見積もりに隠されがちな設計技術料がはっきりと可視化されるため、一見すると高く感じてしまうことがあります。

これらは手間や時間のデメリットですが、裏を返せばそれだけ一棟一棟にプロの建築士が本気で向き合っている証拠でもあり、施工業者と予算の調整をするマネージャーであり、工事の品質をプロの目で監視する役割も持っています。

まとめ:全国どこでも「後悔しない家づくり」を

物価や資材の価格が上がり続けている今の時代だからこそ、なんとなく作られた家をなんとなく買うのは、とてもリスクが高いと言えます。

予算内で、最大限に安全で、最大限に家族が心地よく暮らせる家をつくるために、予算のバランスシートをコントロールし、削るべきところをロジカルに見極める。それこそが設計事務所に依頼する本当の価値であり、私たちが提供する質の本質です。

実は、私も含め、建築設計事務所は少人数で運営していることが多く、一棟一棟に全力を注ぐため、年間数件しか案件を抱えられないところがほとんどです。

そのため、設計料が高そうだからと遠慮して選択肢から外してしまうのは、非常に大きな機会損失になってしまいます。あまり謙遜せず、まずは相談という形で話を聞いてみるだけでも、あなたの将来の家づくりはガラリと変わってくるはずです。

この記事が、あなたにとって素晴らしい設計事務所、そして信頼できる建築士と出会えるヒントになれば幸いです。

【新規受付】いつもブログをご覧いただいている皆様へ

多くのご相談をいただいており、直近の着手分は予定数に達したため受付を終了いたしました。

この受付終了は、現在すでに設計に着手しているお客様の家づくりにおいて、その質を最大限に担保し、一棟一棟に誠実に向き合うための決断です。私たちは効率や棟数を追う量産型の家づくりではなく、クオリティを最優先に考えているため、一度に多くの案件を並行して進めることはいたしません。

そのため、これからの募集は当事務所の家づくりに共感し、9月から10月以降の着手をお待ちいただける方に限定させていただきます。

「広さに縛られず、豊かで価値の続く住まいを」 その想いを共有できる方との丁寧な家づくりを楽しみにしております。

【お問い合わせ】
スケルトン メールアドレス  sukeruton.sekkei@gmail.com

個人ブログでは面白おかしく、沖縄あるある 住宅事情 を発信しております。
興味がありましたら見てみてください。

スケルトンが提案する家づくり

私たちの設計事務所では、単にデザインだけでなく、そこで営まれる家族の生活を中心に据えた家づくりを行っています。

専門家としての経験に基づき、私たちがお客様に提案する設計の柱は以下の4点です。

1. 本質を見据えた無駄のない設計

お客様のご要望を丁寧に汲み取り、本当に必要なものだけを取り入れた、シンプルで機能的な空間を設計します。家族それぞれの生活スタイルや趣味を尊重しながら、日々の家事動線や家族の目線が交わる快適な間取りを実現します。

2. 将来の変化に寄り添う可変性(スケルトン・インフィル)

子どもたちの成長や独立など、ライフステージの変化に合わせて柔軟に間取りを変更できる設計を心がけています。20年後、30年後も家族の成長に合わせ成長していく建物。そして長く安心して住み継げる資産価値の高い家を提供します。

3. 家族の命と暮らしを守る確かな性能

目に見える意匠性と同じくらい、建物の基礎となる骨格の性能を重視しています。高い耐震性と省エネ性を兼ね備え、近年の気候変動や自然災害からも家族の命と健康を守る、安全で環境に優しい住まいを構築します。

4. 子育て・二世帯住宅の当事者だからできる提案

私自身、4歳と6歳の娘を育てる父親であり、同時に自ら二世帯住宅に暮らす当事者でもあります。現在進行形で子育て世帯のニーズや悩みに向き合い、二世帯同居ならではの奥様のストレスや課題に対する具体的な解決策を持ち合わせています。実体験に基づいたリアルな視点で、親世帯・子世帯の全員が笑顔で暮らせる環境をご提案します。

すぐに設計に取り掛かることはできないのですが、事前相談は無料なので、お気軽にご連絡ください。

↓建築設計事務所スケルトン の お仕事

お家造る時は何から考えたら良いのだろう?誰に相談したらいいの?
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その質問にお答えします。お気軽にお問合せください。
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