第三話:23坪の選択。沖縄で「負けない資産」を築くための建築士の回答

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こんにちは。沖縄で住宅設計をしている建築士です。全三回でお届けしてきたこのシリーズも、いよいよ今回が完結編です。

第一話では「地価上昇全国2位」という沖縄の衝撃的な現状を、第二話では「一生賃貸で払い続けるコスト」の恐怖を可視化してきました。

最終回となる今回は、多くの人が考える**「子供が独立したら、狭い賃貸に移れば安く済むのでは?」という賢い選択肢(ダウンサイジングプラン)に加え、将来直面する「年齢と賃貸審査」**という切実なリスクも含め、40年後の出口戦略を精密にシミュレーションします。

23坪のリアルな建築コストと「40年後」の価値

現在、沖縄での新築住宅は坪単価150万円がひとつの相場です。

今回のモデルである**23坪(約76㎡)**の家を建てる場合、建物3,450万円+土地2,000万円で、**総額5,450万円(諸経費別)**の住まいを想定します。

比較対象として、以下のリアルな「賃貸住み替えプラン」を用意しました。

  • 前半20年(子育て期): 23坪の広めな3LDK(新築家賃20万円〜)
  • 後半20年(夫婦二人): 16坪のコンパクトな2LDKへ引越し(家賃12万円〜)

40年間の「全支出」比較シミュレーション

住み替えの手間やコストを含めた「賃貸住み替えプラン」と、資産として残る「新築住宅プラン」の比較です。

比較項目賃貸「住み替え」プラン新築住宅(23坪・40年)
住居費:前半20年4,080万円(23坪・平均17万)6,800万円
住居費:後半20年2,400万円(16坪・平均10万)(ローン完済・住居費0円)
更新・引越・諸経費約 120万円(※1)▲約 150万円(控除還付)
メンテナンス・税金0円約 1,000万円(※2)
① 支出合計約 6,600万円約 7,650万円
② 40年後の資産価値0円約 3,725万円(※3)
実質負担(①ー②)6,600万円約 3,925万円

※全ての数字は概算であり、将来の経済状況や税制により変動します。


【建築士の眼】お金以上に深刻な「年齢」の壁

シミュレーションでは「後半20年で16坪に住み替える」と仮定しましたが、ここで避けて通れないのが**「入居審査」のリスク**です。

現在30歳の方が20年後に住み替える時、年齢は50歳。まだ現役世代として審査も通るでしょう。しかし、現在40歳の方が住み替えを考える時、20年後は60歳です。

果たして、賃貸の大家さんは60歳を超えた高齢者に、すんなりと理想の家を貸してくれるでしょうか?

  • 大家さんの本音:「あと5年で定年。その後、年金だけで家賃を払い続けられるのか?」「健康状態に不安はないか?」
  • 厳しい現実: 入居のために子供を代理人に立てたり、高額な保証機関の利用を求められたり、そもそも「高齢者不可」の物件も少なくありません。

自分の意志で住み替えたくても、**「貸してもらえる家の中から選ぶしかない」**という不自由な現実に直面する可能性があるのです。一方、持ち家であれば住めなくなるリスクはゼロ。一生涯の安心が手に入ります。

「工夫」しても埋まらない2,600万円の溝

子供が独立した後に家を小さくするという合理的な工夫をしても、賃貸派の総支出は6,600万円。対して持ち家派の実質負担は、資産価値を差し引くと約4,000万円

その差は約2,600万円に広がります。

賃貸の住み替えプランでは、後半の20年間を「誰かが使い古した16坪」で、設備や断熱の不満を抱えながら過ごすことになります。

一方で持ち家なら、20年目に自分たちの好みに合わせてリフォームし、性能を高めた「愛着のある23坪」で、ゆったりと老後を迎えられるのです。

メンテナンスは「コスト」ではなく「老後への投資」

第二話で例えた「ブランド物のTシャツ」を思い出してください。

どんなに良い生地でも、手入れをせず放置すれば価値はゼロ(0%)になり、最後は捨てるしかありません。住宅も全く同じです。

しかし、愛着を持って適切にメンテナンスを施せば、40年後でも建物価値を半分残すことは十分に可能です。メンテナンス費の1,000万円は、**「建物の価値を維持し、一生涯の居場所を守るための投資」**なのです。

結論:沖縄で「自分たちの城」を建てるということ

坪単価150万円、地価上昇全国2位。

この数字を前に立ち止まるのは当然です。しかし、賃貸派が40年後に手にするのは、大量の「家賃の領収書」だけ。

持ち家派が手にするのは、愛着を持って育てた「住まい」と、値上がりし続けるかもしれない「沖縄の土地」という、老後を支える確固たる安心です。

最後に:建築士としてお伝えしたいこと

家づくりは、単なる「箱」を買うことではありません。これからの40年という長い時間を、どんな環境で、どんな安心感とともに過ごすかを選ぶプロセスです。

沖縄の未来を見据えた、あなただけの「負けない家づくり」。その第一歩を、設計のプロと一緒に踏み出してみませんか?


【追記:新規ご相談の受付再開について】

いつも当設計事務所のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

これまで、一組一組のお客様と全力で向き合う責任のため、新規の設計受付を一時停止しておりました。しかし、現在進行中のプロジェクトとの調整が整い、2026年5月頃から設計に着手できるスケジュールが確保できました。

つきましては、「平屋住宅」の設計をご希望の方に限り、限定的に新規ご相談の受付を再開いたします。

「沖縄の地価高騰に負けない、資産価値の高い平屋を建てたい」

「23坪でも、開放感のある平屋で暮らしたい」

そんな想いをお持ちの方は、ぜひホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。責任を持って一棟一棟向き合うため、今回も少数限定での募集となりますが、いつもブログを通じて私たちの家づくりに共感してくださる方との出会いを楽しみにしております。


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スケルトンがお客様に提案する設計

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