沖縄塩害あるある。コンクリートが落ちる!危険!

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先日、築50年程たった建物を見る機会がありました。

外から見てそのうち倒壊しそうだな。と思う位のヒビがあちらこちらに・・・

そこにはまだ人が普通に住んでいます。

話を伺った夫婦は80代で「息子が建てると言っているのだけど、何年たっても建てない。それを待っているのだけど、いつになるのかね~?」と言う事でした。

さすがに僕もこれは危ないから早く引っ越すようにと注意しました。

このコンクリートのひび割れは 爆裂(鉄筋爆裂)と言うものです。

爆裂とは?

爆裂とは写真のようにコンクリートが剥がれ落ちる。ひび割れ等が発生した状態の事です。

①コンクリートの中性化
②鉄筋にサビが発生
③コンクリートに挟まれた鉄筋がサビで膨張
④コンクリートにひび割れがうまれる
⑤ひび割れから水や空気が浸入
⑥さらに鉄筋のサビが膨張する

と言うサイクルでどんどんひどくなっていってしまいます。

沖縄では毎年このコンクリートの爆裂絡みのニュースが流れます。

爆裂が多い建物の年代

昭和40年~50年(西暦1965年~1970年)代に建てられた住宅が多い印象です。
昭和40年代は、沖縄に限らず、日本中で建築ラッシュだったので建築の資材が不足し、コンクリートにはなくてはならない砂(通常は塩分が無い川砂などを使用)に海砂が使用され、鉄筋の錆を促す塩分が混入していたため、この年代にはひび割れた建物が多いです。
特に沖縄では海洋博が1970年代に建てられ、深刻な資材不足となっていました。

このような爆裂問題をおこさないように建築基準法ではコンクリートに含まれる塩分量が何パーセント以下と言う事で決まっています。

コンクリートを打ち込む前には当日の現場では、このような品質検査をします。

爆裂をさせないためには?

建物は物ですので、いつかは壊れます。
メンテナンスフリーではありません。

外国の方々は、自分たちで自宅をメンテナンスする風習があるのですが、日本はそのメンテナンスの風習がありません。

コンクリート住宅はとても強く、そうそう壊れるものではありませんので、木造に比べればそんなにメンテナンスは必要ないのですが、台風が来るたびに水で外壁についた塩分を流すだけでも変わります。

また、紫外線が強いので外壁の塗装は定期的(7年くらい)な塗り替えが必要です。

外壁を手で触って、白い粉みたいなものが出てくるのであれば、塗装の防水性能や紫外線を抑える性能は無いので、早めの塗り替えをおすすめします。

賃貸住宅等は、共益費として毎月何千円か取られていると思うのですが、この共益費は建物をメンテナンスするために積み立てられたお金です。

住宅でもそのようなメンテナンス費用の貯蓄が必要です。

小さなひび割れを水で流す時や、塗装の時期に発見した場合は補修業者に依頼し、補修さえしていればコンクリート住宅は何十年~100年程持つとも言われています。

まとめ


簡単な水洗いや、屋上の屋根の排水溝に詰まっている葉っぱなどは定期的に掃除するだけで、今度の建物寿命を大幅に伸ばすことが出来ますので習慣化していただきたいです。

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